第17回 この厳しい経済状況の中で成長を目指す。

お客様に試算表をお届けした時のことです。
先生これ見てください、手にしますと1年半前、ご夫婦の協力により申請した特許が認められたという通知書でした。
社長様は、この特許を元に事業の拡大を考えはじめたようでした。
この厳しい経済状況の中で成長を目指す。その前向きな考えの方が特許より価値があるのではないでしょうか。

カテゴリー: Blog

第16回 見極めと対策はしっかりと。

お客様に試算表をお届けした時のことです。
奥様が、あの会社倒産しましたと報告してくれました。
話は、それより4ヶ月前にさかのぼります。
社長様が、ある会社の工事をいただいたとお話してくれました。金額は700万。
会社の名前を聞かせていただきますと噂になっている会社でした。
早速、経営審査の結果とリサーチの報告書を送り、倒産の危険性の高いことと工事完成後直ちに支払っていただく約束を取り付けてもらう事をお願いしました。
支払日はいつですか?役所から振り込まれてから支払ってくれるとの事です。
その日はいつですか?役所から連絡がないので分からないとの事です。
回収できませんよ。
手形は絶対にだめですよ。
役所からの入金日に半額、その月の末に残りを回収する事ができました。

カテゴリー: Blog

第15回 試算表の役割

ある数店舗を開いているお客様が相談にこられました。このままで大丈夫かとの事でした。
その不安は的中しておりました。このままでは、資金繰りが続きませんよ。
利益額+原価償却額よりも返済額の方が多いです。かなり厳しいですよ。
最近の試算表を見せていただきました。6月までしかありません。今は9月後半、8月までの試算表が必要じゃないですか。
しかも、試算表には全く売掛金、買掛金は反映されておりませんでした。
早速、店ごとの試算表を作る事にし作業に着手しました。
必要なのは、店ごとの収支と返済がどのようになっているかを知る事です。
その上で、改善計画をたてていきましょう。

カテゴリー: Blog

第14回 税理士報酬の引き下げ

昨年の9月の日経新聞に、税理士報酬の引き下げが行われている、という記事が掲載されました。
経営者の皆様方も、ようやく支払っている報酬とそれに見合うサービスを受けているかを考え始めたのだなと感じました。
ある新規のお客様が訪ねてこられました。
「今まで試算表の説明は受けたことはありません。会社のことを尋ねても、ただ大丈夫ですという答えが返ってくるだけでした」とのこと。
直ちに3期分を分析し、問題点を洗い出し改善をお願いしました。すぐに実行してくれたのは言うまでもございません。

カテゴリー: Blog

第13回 あるお客様が、不渡手形を受けてしまいました

あるお客様が、不渡手形を受けてしまいました。
この時期不渡手形の発生は、大きな痛手でした。もう少し信用情報を的確に差し上げていれば、被害もなかったのにと反省させられました。
早速商工リサーチ社と契約しネット経由で情報を得ることにしました。さらに、経営事項審査結果通知書により、エクセルで貸借対照表、当座比率、流動比率、粉飾決算の有無を作成し提供することにしました。
不渡手形を出す方は悪くない、貰う方が悪い。そして危険な会社の情報を提供し続けてこなかった事務所にも責任があったことを痛感いたしました。
これを機会に、もう一度、危ない会社の危険信号をお話しすることにしました。
1.危ないという噂が立っている。
2.取引銀行が変わった。
3.手形期日が延びてきた。
4.手形、小切手の発行銀行が時々変わる。
5.支払いは現金払いの約束。(代金の一部しか払わない会社が増加している)
6.売掛金の残が増えてきた。
7.優秀な社員の退社が出ている。
8.会社内が暗い。
9.社長、経理担当者がいつも居らない。
10.取引額が異常に伸びてきた。
11.手形ジャンプの依頼を受けた。
12.なりふりかまわない工事受注。

カテゴリー: Blog

第12回 ある一社員の入社で…

あるお客様の売上と利益が急速に伸びてまいりました。
ここ数年赤字つづきの決算でしたので一番驚いたのが銀行でした。私も驚きました。
わずか一人の営業担当者の入社によってここまで良くなるとは思ってもおりませんでした。
当然、暗かった会社内も明るくなり、社員のやる気もアップし、冬の賞与も期待十分。
この社員の入社は、今、不況の中で売上・利益の減少が当然のことと思っていたことが、いかに誤りだったかを教えてくれました。
本当に赤字会社なのだろうか、本当に売上が減少していたのだろうか。
まだなすべきことがあるのに、それをせずに不況のせいにしてきたことを反省させられました。

カテゴリー: Blog

第11回 剰余金

お客様が訪ねてこられました。
決算を行なっていただきたい。
昨年の申告書を見て申し上げました。この会社は今期で整理いたしましょう。
利益も出始めているのにどうしてですかとの問いに、会社の損失は白色申告のために控除できません。今、会社にとって求められているのは自己資本比率の向上 です。未処理損失を解消するためには、2500万円の利益を出し1000万円税金を払う必要があります。それでも剰余金は0です。
それよりは、新会社を設立し2500万円の利益を上げ、1000万円の税金を払った方が剰余金1500万円残りますよ。
そのお客様は、直ちに新会社の設立の手続きを開始しました。

カテゴリー: Blog

第10回 そのお客様が2度驚かれました

お客様が訪ねてこられました。
そのお客様が2度驚かれました。
まず仕事をしていて驚かれました。売上の請求書、仕入関係の請求書を見せて下さいとお話しした時のことです。
今までは決算の時しか見せていませんでしたよとの返事に、売掛金・買掛金を把握することの大切さを、お話しさせていただきました。
把握しない方法は、会計事務所としては大変楽なのですが、試算表の役割は果たしておりません。
 第一に、お金がなくて払わずにいればいるほど、試算表上、利益が残ってまいります。
 第二に、売掛金、買掛金の残の増減に気をつけていなければ経営に差しさわりが生じます。
 第三に、決算時でないと利益が分からないのでは、安心した経営ができません。
その後、試算表を説明して驚かれました。
こうして説明を受けたのは初めてですとの答えに、会社が良くなるためには、まず経営者が自社の財務内容に明るくなっていただかねばなりませんよ。そのために、これからは試算表の見方を覚えていただきますよと申し上げました。

カテゴリー: Blog

第9回 日曜日の朝、奥様から電話をいただきました

税理士の仕事はお客様にお会いすること。
日曜日の朝、奥様から電話をいただきました。ペットの犬と鳥を預かってほしい。
すぐに自宅に向かいました。この1年間社員との問題、大切にしていた娘さんの結婚。
すっかり仕事の意欲を無くして、減少する売上、増える借金、催促される支払。
疲れきった社長様の姿が思い出されました。
その日のうちに問屋様のところに出向き、2日の猶予をもらって支払計画書を提出し、快く了承していただきました。
後は、社長様に元気を取り戻していただくだけだな。
娘さんと奥様と共に励ましつづけました。
あれから三年。今でもこの不況の中元気にがんばってくれております。
だから、お客様を訪ねるのです。

カテゴリー: Blog

第8回 結果は1年後

税理士の仕事はお客様にお会いすること。
あるお客様に厳しい決算報告を致しました。来期が勝負ですよ。
人員の削減と社会保険の見直しをお願いします。
すぐに実行してくれましたが、業績の回復はなりませんでした。
3ヶ月、6ヶ月経過、今期の決算も厳しくなりそうだな。
9ヶ月目からいい数字、10ヶ月、11ヶ月、これなら良い決算になりそうだな。
社長、良くがんばりましたね。
「実はあれから半年、妻と新製品の開発をしていたのですよ。これがその写真です。」
見せていただいてすぐに特許申請をお願いしました。
そんなお金はありませんと渋る社長様を説得して、次の日行ってもらいました。
結果は1年後。もし事務員に任せていたら特許は別の会社に取得されていたはずです。
だから、お客様を訪ねるのです。

カテゴリー: Blog